HW360 詳細
HW360 に使われているチップは
eKA8564A だと思われます。HW360 は DAC の出力をそのままヘッドホンジャックへ出したと思われる出力波形になっています。負荷抵抗を接続しても DC オフセットは依然として残り、波形は階段状になっています。データシートの参考回路にあるスピーカーと直列になったコンデンサが省略されていると考えられます。比較的大きめの紙箱に包装されています。区別を付ける方法は、スモーク加工したプラスチックを通して、かすかに見える基板の実装状態です。以下の特徴があります。
- φ3mmの赤と緑のLEDが実装されています(他に φ3mm LED を実装しているのは PD552
です)。
- パッケージされたチップが乗っています。
- 水晶はUSBコネクタを挿す方向と斜めに向きます。
- コンデンサの様な大型部品は見えません(HY554 はコンデンサが 2 個見えます)。
包装形態画像
購入記録など
秋葉原のマルツ(TWOTOP 隣)で 2007/10 頃入手したと思います(少し記憶があいまいです)。2009/9 時点で同様のパッケージを見ます。自分が入手したパッケージはライトグリーンのケースです。しかし、この色に限らない様です。
出力
HW360 は DAC 出力が出ています。負荷抵抗を付けても DC オフセットが有ります。アンプにつなぐ場合は、少なくとも AC 結合入力のアンプまたはコンデンサと負荷抵抗を付け、DC をカットする必要が有ります。波形は階段状をしており、恐らくサンプリングレートは 48KHz だと考えられます。アンチエリアシングをしなくても、それなりに聞ける音ですが、気になる場合はフィルタを通して下さい。
DC オフセットを見るため無信号時の波形を見てみました。出力に 1KΩ を負荷して僅かなリークや、出力コンデンサに適当な電荷が溜まっていない場合に見えるオフセットが消えるかどうか見てみました。測定時の回路は以下の通りです。
しかし、オフセットは依然として残っています。
無信号時波形無信号時でもオフセットは残っています。
正弦波を出力して波形観測をしてみました。波形の観測条件は、Media Player にて A=32767(ボリュームで調整しています), f=1KHz, L=Asin(2πft), R=Asin(2πft+0.5π) の 44.1KHz サンプリング wave 波形を出力しています。
左右出力波形、DC 結合 1KΩ負荷。
左右出力波形、AC 結合 1KΩ負荷。AC 結合をして波形を拡大してみると階段状になっています。 DAC 出力をフィルターを通さずにヘッドホンジャックまで出していると考えられます。
アンプ・アクティブスピーカー接続
DC オフセットが乗っているため、直接アンプまたはアクティブスピーカーに接続できる波形ではありません。アンプの仕様を確認して AC 結合であることを確認するか、途中にコンデンサを入れ、アンプ側に適切な負荷抵抗を入れて
DC オフセットをキャンセル必要が有ります。
ヘッドホン・パッシブスピーカー接続
DC オフセットをキャンセルするためコンデンサを入れてヘッドホンまたはパッシブスピーカーへ接続する必要が有ります。
基板実装
eKA8564A を実装しています。特に異常は認められませんが、フラックスと思われる薬品の残渣が白く見えています。
大型部品実装面
チップ部品実装面
ケースの外側からは、基板に実装された赤と緑の LED を確認できます。
ケース
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